アウディTTのハブベアリングのインナーレースの切除

冬タイヤと夏タイヤの交換時期の合間のこの時期
レンタルガレージは閑古鳥が鳴いてます
新型コロナの影響もあるかとは思います
そんな中でアポなしでの重たい作業がありました
アウディTTのハブベアリングの交換になります

これまでバブベアリングの交換に関しては多くの記事を書いてます
それはハブベアリングという大きなベアリングを交換するためには一般的なサイズの5トンのプレスでは打ち換えが出来ない物が多いんです
このため自動車ディーラーとかでもナックルアッシーで交換する事が増えて
ハブベアリング単体で部品が出ないという事も増えて来ました

これはどういう事かと言いますと、ハブベアリングの交換という事にリスクや機材や整備の技量が必要になります
当然の事ながら、ベアリングそのものは安くても工賃は高くなります
だったら、ハブベアリングが入ってる部品そっくり交換するという事になります

ですが、旧車や外車ではハブベアリング単体で部品が出る事が多いんです
自動車ディーラーですら承けない整備を、DIYのレンタルガレージでするという事は
私としても、何とも言えない事ではあります

本題に入りますが、ハブベアリングという物は大きなベアリングで
特に難しいのは前輪の回転軸の中心にあるベアリングになります
ネジで止まってるのではなく、圧入されてます
強い力で圧入されていれば、それだけベアリングの摩耗に対してライフは長くなると思います
ですが、その分の交換整備は難しくなります
私の思うところの話ですが、外車は基本的には整備をして維持するというところから
定期交換部品という考えもあると思うので、それほど大きな力で圧入されてないように思えます
実際問題として、このアウディは左右で2回目の交換になりますが
その1回目はそれほど問題なく交換出来ました
このハブベアリングの交換には、スライディングハンマーでも交換出来るというような情報と、巨大なプレスがないと抜けないという情報が交錯してると思います

同じ車のハブベアリングでも、同じ要領で出来るとは限らないという記事になります

今回はハブベアリングそのもののアウターレースはハブベアリングプーラーで抜けました
ハブもスライディングハンマーで抜けました
問題になったのは、そのハブに残ったインナーレース・・・
前回は本人が持参したオモチャみたいな小さなギアプーラーで抜けました
しかしながら、今回はそうは行きませんでした・・・

ちょっとした力加減の違いだとは思いますが、ギアプーラーが掛けられる部分がわずかだけ
通常はタガネを打ち込み、少しでも隙間が開けばギロチンプーラーでさらに開き
ギアプーラーで抜くという手順
FRのリアなどはディスクグラインダーで切断するとか、タガネで割るとか、マニュアルにもある手段です
ですが、ABSのプレートがあるがために、その作業がかなり制限されます

例によって突発的な作業でしたので、その前の写真はありませんが
ディスクグラインダーは割るための方向にキズを付ける事が出来ません
また、タガネをそのインナーレースの隙間に打ち込むにもABSのプレートの隙間からのみ
しかも、このABSのプレートも保護しなければなりません
横方向にしかインナーレースに切り込みを入れる事が困難ですが


とりあえずは部分的に割れました

これはインナーレースは粉々にしてもいいのですが、それ以外はダメージを与える事が出来ません
インナーレースのみをディスクグラインダーで切除するという、整備というよりオペですね


さらにインナーレースの切り込みを増やしてタガネを入れると割れが広がって来ました
問題になるのは、ここから先のL型になってるツバの部分が割れません

写真はありませんが、このABSのプレートの横の隙間からタガネを打ち込みますと
わずかながらハブとインナーレースの間に隙間が出来ました

これを繰り返すと、このインナーレースは縦にクラックが入ったようで
多少はディスクグラインダーの刃をこの軸やABSのプレートには当ててしまいましたが
無事、インナーレースのみの切除に成功!


私、失敗しないので(笑)

いずれにしても自動車ディーラーがハブベアリングの交換にここまでの高度な作業を
定められた工賃の中で出来る整備士はまず居ないでしょうね

一般的な整備工場で出来ない事でも出来てしまうのが、レンタルガレージではない
これは間違いない事ではありますが
ここまでハブを壊してしまったら、元に戻しても自走不能とも言えます

この先、私はどういう方向性でレンタルガレージを運営していいのか?
少なからず、今は無事に出庫出来るよう力を貸してるというのは確かですけど





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